こんにちは、4人の子供たち(9歳、7歳、5歳、3歳)の育児に奮闘中の34歳ブロガーです。今回は、ずっと気になっていたアダム・グラントの著書『GIVE & TAKE』、日本語タイトルでは『「与える人」こそ成功する時代』を読んでの感想を綴りたいと思います。
子育てをしていると、わが子が将来どんな大人になるだろうかと、日々思いを巡らせます。特に、社会に出て色々な人と関わる中で、優しさや思いやりを持ちながらも、自分の身を守れる強さも身につけてほしいと願うのは、親として自然な気持ちでしょう。
この本を読み進めるうちに、私が漠然と感じていた「与えること」と「成功」の意外な関係性、そしてその裏に潜む注意点について、深く考えさせられることになりました。
ギバー、テイカー、マッチャー
本書では、人の行動スタイルを大きく3つに分類しています。
- ギバー (Giver): 他者に惜しみなく与える人。時間、知識、情報、人脈など、自分の持てるものを積極的に提供します。
- テイカー (Taker): 他者からできるだけ多くを得ようとする人。自分の利益を最優先に考え、相手から奪うことを厭いません。
- マッチャー (Matcher): バランスを取ろうとする人。自分が与えたら相手からも返してもらいたいと考え、損得勘定で行動します。
この分類を読んだだけでも、「確かに周りにもこういうタイプの人がいるな」と、妙に納得してしまいました。そして、多くの人が「マッチャー」として行動しているのではないかと感じました。
なぜ「与える人」こそ成功するのか?
私がこの本で最も興味深かったのは、「ギバー」が必ずしも損をするわけではなく、むしろ長期的に見て成功する可能性を秘めているという点でした。一見すると、テイカーが得ばかりしているように見えますが、ギバーは周りの信頼を得やすく、協力者や支援者を集めやすいという強みを持っています。
例えば、困っている人に手を差し伸べるギバーの周りには、「あの人に恩返しをしたい」「力になりたい」と思う人が自然と集まります。ギバーが困った時には、多くの人が助けてくれるでしょう。また、ギバーは様々な知識や情報、人脈を共有することで、予期せぬチャンスを引き寄せることがあります。
これは、利他的な行動が、巡り巡って自分に返ってくるという、人間関係におけるポジティブな連鎖を生み出すからだと感じました。
搾取されないギバーになるために
しかし、本書では、ギバーの中にも2つのタイプが存在することが示されています。それは、「自己犠牲型ギバー」と「成功するギバー」です。
- 自己犠牲型ギバー: 相手の要求を断ることができず、自分の時間やエネルギーを過度に費やしてしまうギバー。結果的に疲弊し、燃え尽きてしまう可能性があります。
- 成功するギバー: 他者に与えることを喜びとする一方で、自分の時間やエネルギーの限界を理解し、適切な線引きができるギバー。相手の意図を見抜く賢さも持ち合わせています。
私がわが子に育ってほしいのは、まさにこの「成功するギバー」です。優しさや思いやりを持ちながらも、他者の搾取に気づき、毅然とした態度を取れる強さも身につけてほしい。
本書の中では、搾取されないギバーになるための具体的な方法も紹介されています。例えば、
- 助ける相手を見極める: 全ての要求に応えるのではなく、本当に助けが必要な人、誠意のある人を見極めること。
- 「見返り」を期待しない: 純粋な気持ちで与えること。ただし、一方的な関係が続く場合は見直しも必要。
- 自分の時間とエネルギーを守る: 頼まれたことを安易に引き受けるのではなく、自分のキャパシティを考慮すること。
- 周りの人に助けを求める: ギバー自身も、時には助けを求める勇気を持つこと。
これらの教えは、子供たちだけでなく、私自身にとっても非常に重要な学びとなりました。
子育てを通して伝えたいこと
この本を読んで、子供たちには「人に優しく、困っている人がいたら積極的に助けてあげられる人になってほしい」という思いがより一層強くなりました。同時に、「ただ優しいだけではいけない。相手の気持ちを理解し、時にはNOと言う勇気も持つこと、そして自分自身を大切にすることも忘れないでほしい」と伝えたいと強く感じました。
絵本を読んだり、日常生活の中で友達との関わりを見守ったりする中で、この本の考え方を少しずつ伝えていけたらと思っています。例えば、「お友達が困っていたら、できる範囲で助けてあげようね。でも、もし嫌なことをされたら、ちゃんと『やめて』って言ってもいいんだよ」というように。
まとめ:「与える人」になるための学び
『GIVE & TAKE』は、単なる成功法則の本ではなく、人間関係における本質的なあり方を教えてくれる一冊でした。「与える」ことの価値と、その裏に潜むリスク、そして賢く与えるためのヒントが詰まっています。
子育て中の私にとって、わが子が他者を思いやる心を持ちながらも、自分自身を大切にできる人に成長してくれることが、何よりも願うことです。この本から得た学びを、日々の育児の中で少しずつ実践していきたいと思います。
皆さんも、もし人間関係やキャリアについて悩むことがあれば、ぜひ一度手に取ってみてはいかがでしょうか。きっと、新たな視点や気づきが得られるはずです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
おしまい!!
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